リヒテルズ直子

オランダから地球市民社会と教育を語る

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ポピュリズムの浸透を食い止めたオランダ選挙 ーーーポルダー政治の光陰ーーー(オルタマガジン2017年3月20日発表記事)

 投票率80.2%。28党の政党が競った<2017年第二院(衆議院)選挙>。多数の選択肢を与えられたオランダ市民は、最終的に「極右政党」の支配を退け、欧州連合の維持を支持して建設的かつ楽観的な政治姿勢の政党を選択をした。

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オランダ通信 揺れるヨーロッパ〜 Brexit をめぐって〜 (オルタマガジン151号掲載論考)


オルタマガジン編集後記(加藤宣幸氏)の推薦の辞:

◎6月23日の英国・国民投票は「まさかの離脱(Brexit)」となり、世界が震撼し日本にも衝撃が走った。私たちはこの事態をどのように考えるべきか。オランダに在住し、ヨーロッパと日本を駆け巡りながら世界の教育と社会を研究される研究者(オルタ編集委員)リヒテルズ直子さんに緊急レポートをお願いした。日本のメディアの多くは、日本経済への影響という狭い視点から捉えがちだが、それでいいのか。リヒテルズさんは直近の英国政界のドタバタにも触れ、事態の経過・各国の反応の冷静な分析だけでなく、顕在化した4つの問題点(1)フリーマケットか人権か(欧州連合の存在意義をどこに認めるか)(2)西欧と東欧?(3)エリート政治家への不信(リーダーシップ教育の問題)(4)ポピュリズム拡散の責任は誰に?(マスメデイアの責任)を指摘するとともに、「日本は大丈夫か」として日本がいかに対応すべきかを明快に論じられた。ぜひ読者の皆様には単なる評論ではないこの骨太の論考を読んでいただきたい。

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安倍談話を伝えるオランダ紙の記事

終戦記念日の首相談話は、毎年海外からの注目を浴びる。日本が侵略した中国や韓国だけではなく、植民地で一般市民の多くが犠牲となったオランダやイギリスなどの国でもそうだ。

今年は、70年という節目、また、安倍政権の「安保法案」強制採決をめぐる国内の抗議の声が高まる中でのことでもあり、極めて右翼色の強い安倍が、どのような談話を出すか、事前からの注目度も高かったと言えるだろう。オランダの新聞はそれをどう伝えたか、、、。NRC紙2015年8月15日付の、日本特派員キエルト・ダウツ氏により記事を試訳した。

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ついに来た、市民社会の曙ーーー安保法案強行採決とシールズの動き

 7月16日、国会前に集まった10万人とも言われる市民の抗議と野党議員らの反対を押し切って、戦争放棄を決める憲法9条の解釈改正を進める安倍政権の安保法案が可決された。

 しかし、5月3日の憲法記念日に設立されたというシールズ(Seald's)(自由と民主主義のための学生緊急行動)という団体による学生たちの元気の良い抗議の声が、オランダにいる私の耳にも心地よく響いてくる。

 オランダの教育や社会を伝える私に、いつも繰り返し出される質問は「どうしてそんな社会になったのですか、どうすれば日本もオランダのようになれるのでしょうか」というものだった、、、そして今、シールズの登場を見て、もしかしたら、これはやっと訪れた日本の「市民社会」への道の第1歩なのでは、と胸の空くような思いでいる。(続きは下のread moreからどうぞ)

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子どもオンブズマンーーー子どもたちの声に耳を傾ける

約15年間、オランダの教育事情についての情報をもとに、日本の教育制度改革についての議論に参加してきた。しかし、この15年間を振り返ってみて、(学校)教育について子どもたちがどう感じているかということを直接に聞いたことは一度もない。いつも、大人たちが、子どものために「ああでもない、こうでもない」と議論しているだけのような気がする。でも、本当は、子ども達自身こそ、たくさんのアイデアを持っているのではないのだろうか、、、そんな疑問を心に抱いていた矢先、弁護士さんたちのグループとの視察でオランダの「子どもオンブズマン」を訪ねた。ここに、子どもたちの問題を解決する、そして、私たち大人も含むみんなの未来社会を拓いていくための一つの突破口があるように感じた。(この項、本文に続く、、、)

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モンテッソーリ校でのフィロソフィー・レッスン

 保護者の女性が週に一回哲学の授業をしているというハーグ市内のモンテッソーリ校に、やっと哲学授業の見学に行くことができた。

 その日11時15分に始まった授業は、小学校高学年の子ども達10人を美術室に集めて行われた。毎週火曜日に、低学年(幼児)向け、中学年(小学1−3年生)向け、高学年(小学4−6年生)向けの45分ずつの授業を3回やるのだそうだ。指導をしているこの先生は、特に大学で哲学を専攻していたわけではないが、小学生向けの哲学授業を推進している団体の研修を受け、この学校で、保護者が希望する生徒に向けて1週間に1度の授業をしている。

(この項続く)

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日本のママたちの多重苦

 発達障害を持つ子どもの母親をエンパワメントするにはどうすれば良いか。前回のブログの中でも触れた、先週の日本からの研究者の視察は、視察先を選び同行しオランダ人たちと議論を重ねるうちに、改めて日本にはあまりにも根の深い問題があるということに気づかされる経験だった。母親支援だけを取り上げてすべてを解決できるような問題では、どうも、なさそうだ。それこそ傷に絆創膏を貼るような安易な応急処置に終わり、むしろ問題がますます深みにはまっていくもののような気が今はする。子を持つ母の状況について、オランダと比較して、日本がいかに「後進国」であるかを、先ず受け入れること、そこから改善の道を探るしかないのではないか。何よりも、子どもの幸福な生を守るために、、、(続く)

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権利は使わなければ奪われる

 ハーグ市内の典型的なインナーシティ、トランスヴァール地区にある中等学校を訪れた。中等学校とは言っても、「現場訓練校」という名前の学校で、大半の生徒は4年間の教育を受けた後は進学せずに就職する。知能指数55−75の範囲の子ども達を優先的に入学させ、確実にどこかで働けるように訓練する学校だ。

 そもそもトランスヴァール地区という地域一帯が、かつてはハーグ市内で働く労働者の居住地だったが、60年代以降徐々に外国人出稼労働者が住み着く場所となり、今では、トルコ、モロッコ、スリナム、アンチル諸島、そして東欧など何十カ国もの国籍を背景にした人々が住んでいる。(続く)

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心機一転

長くご愛顧いただいてまいりました「リヒテルズ直子のオランダ通信」は今月をもちまして終了させていただきます。長い間ご愛読ありがとうございました。

今後はこちらのブログを通して、これまで通り、オランダの教育や社会事情についてのホットな話題をお届けしますと同時に、オランダを拠点にしながら、より広い範囲のヨーロッパからの視点で、新聞や雑誌、テレビなどでは得られない生活者の感覚に基づいた臨場感のある所感を報告していきたいと思っています。

また、これまで「地球を渡る風の音」(単行本)「地球を渡る風に吹かれて」(旧ブログ)を通して、日本やヨーロッパだけではなく、アジア、アフリカ、ラテンアメリカに暮らした経験をもとに、世界の様子や動きについての私感を書いてまいりました。そうした観点のエッセイも、今後ともさらに一層充実させていければと思っております。

どうぞみなさまこれまでにも増してよろしくお願い申し上げます。


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